縄文時代から続く岩壁に現れた現代の磨崖仏

アート

国東半島芸術祭/成仏プロジェクト(サイトスペシフィックプロジェクト)
宮島達男【Hundred Life Houses】(2014年)

【Hundred Life Houses】のある成仏地区には、六郷満山文化を代表する伝統行事「修正鬼会」が開催される成仏寺があります。
この成仏寺の向かいには、縄文時代の土器・石器や人骨などが出土した成仏岩陰遺跡があり、縄文時代からある巨大な岩の絶壁に宮島達男さんは作品を設置しました。

宮島さんは「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」というコンセプトに基づいて、LEDのデジタル数字を用いた作品を多く手がける現代美術家。

全国にある磨崖仏のうち約6〜7割が大分県にあると言われています。
中でも国東半島には、火砕流の影響でできた岩場が多く、修行僧が掘った磨崖仏や石像が多く残されています。


宮島さんは成仏岩陰遺跡の高さ約16m、幅約30mの切り立った岩場に、コンクリート製の祠で囲われた100個のデジタルカウンターを設置し、「現代の磨崖仏」を目指しました。100個のデジタルカウンターは、地元住民やアートに興味のある若者、留学生らがワークショップでそれぞれが調整し、多くの人々と共に作られました。

設置されたそれぞれの祠の中では、赤黄青の3色のLEDライトによる1〜9までの数字が、それぞれの速さでカウントラウン、カウントアップを繰り返し、0になると暗転し再びカウントが始まります。

数字がカウントされている=「生きていく」こと
「0」=「死」

を意味し、輪廻転生を表現しています。

縄文時代から続く神秘的な場所で、歴史や様々な人生が繋がっていくことに想いを巡らせることができるのではないでしょうか。

この周辺も自然がとても豊かで、空気がとても澄んでいます。
晴れた日は自然を満喫できますが、Hundred Life Housesを見るなら、薄曇りの日の方がおすすめかもしれません。


Hundred Life Houses
大分県国東市国東町成仏 成仏岩陰遺跡入口
鑑賞可能時間:9:00〜18:00
大分空港から車で約47分
駐車場あり

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